タピオカ屋はどこへいったのか 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ 菅原 由一
要約
タピオカ屋の流行と消滅、スマホゲームの無料モデル、高級寿司店の予約の仕組み、お肉屋さんのビジネスモデル、コンビニの出店戦略などのビジネスの裏側を解説しています。
著者は税理士の菅原由一さんで、ビジネスのからくりを分かりやすく解説しています。
流行に乗っかるビジネスは小資金で省スペースで回転が良いことが重要で、ブームの終焉を見極めて撤退する判断力が必要とされています。
スマホゲームの無料モデルは、課金ユーザーと広告収入で収益を上げています。
高級寿司店は確証バイアスと手間がかかることでありがたみを感じさせるなど、心理的要素を活用しています。
お肉屋さんはBtoB事業が主な収入源で、BtoBの市場規模がBtoCよりはるかに大きいことが示されています。
コンビニの出店戦略では、同じチェーンが近接することで物流の効率化と人員の融通が可能になり、商圏の境界線を意識することが重要とされています。
タピオカ屋の流行と消滅
タピオカミルクティーの流行は、2017年の「インスタ映え」ブームから2年後に起こりました。
本来は喉を潤すためのドリンクでしたが、SNSで写真を投稿し「いいね」をもらうことが目的に変わりました。
流行に乗っかるビジネスは、少額の資金と省スペースで回転が良いことが重要です。
ブームの終焉を見極めて撤退する判断力も必要とされます。
タピオカ屋は現在、唐揚げ屋やマリトッツォ屋、焼き芋屋などに業態を変革して残っています。
スマホゲームの無料モデル
スマホゲームが無料で提供される理由は、競争力の維持と強化につながるためです。
無料で遊べるので試しやすく、面白ければ課金に進みます。
収益源は課金ユーザーと広告収入の2つがあります。
無料ユーザーが95%を占め、残りの5%のコアユーザーが課金することで事業が成り立ちます。
また、人気ゲームほど広告料が高くなるため、広告収入も大きな収益源となります。
高級寿司店の予約の仕組み
高級寿司店が予約でいっぱいになる理由は、確証バイアスと手間がかかることでありがたみを感じさせる心理的要素が働いているためです。
確証バイアスとは、自分の思い込みを裏付ける情報を無意識に集めることで、合理的な判断ができなくなることを指します。
高級寿司店は、予約が取りにくいハードルを設けることで、食べた人にありがたみを感じさせ、美味しいと思わせるようにしています。
お肉屋さんのビジネスモデル
お肉屋さんがコロッケを1個80円で販売できる理由は、BtoB事業が主な収入源だからです。
BtoCの一般消費者向け販売の市場規模は14兆円ですが、BtoBの企業間取引の市場規模は420兆円と桁違いに大きいのです。
お肉屋さんは精肉店として企業に卸しているのがメインビジネスで、BtoCの小売は付随的なものです。BtoBを意識した事業の方が成長の可能性が高いことが示唆されています。
コンビニの出店戦略
同じコンビニチェーンが向かい合って出店する理由は、ドミナント戦略によるものです。
同じチェーンが近接することで、物流の効率化と人員の融通が可能になります。
また、他のチェーンの出店を阻害する支配的な状況を作り出せます。
ただし、商圏の境界線を意識することが重要で、大きな道路の分離帯で商圏が分かれている場合は、向かい合っても問題ありません。
物理的な距離よりも商圏の境界を見極めることが肝心です。
行動項目
流行に乗っかるビジネスは、少額の資金で省スペースで回転が良いモデルを選び、ブームの終焉を見極めて撤退する判断力が必要である。
スマホゲームの無料モデルでは、課金ユーザーと広告収入が収益源となるため、人気を維持し広告料を高く設定できるよう努める必要がある。
高級寿司店は確証バイアスと手間がかかることでありがたみを感じさせる心理的要素を活用し、予約が取りにくいハードルを設けることが重要である。
BtoB事業の市場規模がBtoCよりはるかに大きいため、BtoBを意識した事業展開を検討する必要がある。
コンビニの出店戦略では、物流の効率化と人員の融通を図るため、同じチェーンが近接して出店することが有効である。
ただし、商圏の境界線を意識し、物理的な距離ではなく商圏の境界を見極めることが重要である。
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