不動産賃貸業で法人が物件を売却すると、自己資本比率の上昇や銀行評価の改善といった効果が得られますが、他にもさまざまなメリット・デメリットがあります。
メリット
- 資金調達の強化:売却により得た資金を他の投資や事業に充てられるため、ポートフォリオを柔軟に調整できます。
- キャッシュフローの改善:売却益が発生すれば、キャッシュフローが一時的に大きく改善します。これは短期の資金繰り改善に役立ちます。
- リスクの分散:資産を売却し、新しい分野やエリアに投資することで、リスクを分散できます。
- 減価償却リセット:売却後に新たに物件を購入すると、減価償却を再スタートできるため、法人税負担を軽減することが可能です。
- バランスシートの改善:簿外資産が現れることで財務の透明性が向上し、取引先や金融機関からの信頼度が増す可能性があります。
デメリット
- 売却益への課税:売却によって利益が発生すると、その利益に対して法人税が課されます。これによりキャッシュが減少する場合があります。
- 安定収益の喪失:賃貸物件を手放すことで、安定的に得られていた賃料収入がなくなり、収益が一時的に下がるリスクがあります。
- 将来の資産価値上昇の逸失:物件価値が今後上がる可能性がある場合、その資産上昇の利益を得られなくなるリスクがあります。
- 再購入コストの発生:一度物件を手放してしまうと、再び同様の物件を購入する際に大きなコストが発生する場合があります。
- 金融機関からの依存度:売却益によって自己資本比率が上がるものの、銀行によっては売却による収益減少をリスクと見なす場合もあり、借入の際に不利になるケースもあります。
総合的な判断
売却は、資産の流動性を高めたり財務健全性を強化したりする一方で、安定収入の喪失や再投資コストの問題も伴います。中長期の事業戦略や今後の投資方針と照らし合わせ、法人全体の資金繰りやリスク分散の観点から判断することが望ましいです。
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要約
不動産投資における物件売却の重要性と戦略について議論されました。宅建業者として経験豊富な人物で、自身の経験と見解を共有しています。
物件売却のメリットとして、以下の点が挙げられました:
1. バランスシートの改善:簿外資産を現金化することで、財務状況が透明化し、金融機関からの評価が向上します。
2. キャッシュフローの改善:売却益により一時的に資金が増加し、短期的な資金繰りが改善します。
3. リスク分散:古い物件を売却し、新しい物件に入れ替えることができます。
一方、デメリットとしては以下が挙げられました:
1. 売却益に対する課税
2. 安定的な賃料収入の喪失
3. 将来的な価格上昇の機会損失
市況が良いと判断したタイミングで売却することの重要性を強調し、常に売却可能な状態を維持することを推奨しています。また、物件売却は単なる収益獲得だけでなく、企業の成長戦略の一環として捉えるべきだと主張しています。
最後に、話者は日々の業務における課題、特に書類取得の煩雑さについて触れ、効率化の必要性を示唆しています。
00:07:36 物件売却の概要と重要性
現在メインで取り組んでいる物件売却について説明しています。11月に2件の売却が決定しており、1件は11月末までに売却を決定する予定です。宅建業者として自由に売買ができる立場にあり、資産の入れ替えや売却のタイミングについて考察しています。
00:08:59 物件売却における財務的側面
物件売却における残債、簿価、含み益などの財務的概念を説明しています。簿外資産の重要性や、売却によって実際に現金化される利益について詳細に解説しています。
00:11:10 物件売却のメリット
話者は、価向上などを挙げています。これらのメリットが、今後の事業拡大や融資獲得に繋がると説明しています。
00:12:49 物件売却のデメリット
物件売却のデメリットとして、売却益に対する課税、安定的な賃料収入の喪失、将来的な価格上昇の機会損失などを挙げています。これらのデメリットを考慮しつつ、売却の判断を行う必要性を説明しています。
00:14:15 物件売却の戦略と今後の展望
市況が良いと判断したタイミングで売却することの重要性を強調しています。また、常に売却可能な状態を維持し、資産の入れ替えを行うことで、企業としての成長を図る戦略を提案しています。
00:16:19 日々の業務における課題
資金借入れに関連する書類取得の煩雑さについて言及しています。オンラインでの手続きができない現状を指摘し、効率化の必要性を示唆しています。
行動項目
00:07:36 現在進行中の2件の物件売却を11月中に完了させる。
00:11:10 銀行評価を上げるために、含み益のある物件の売却を検討する。
00:12:08 売却後の資金を活用して、新たな物件購入の機会を探る。
00:12:49 物件売却による税金対策を検討し、適切な納税計画を立てる。
00:15:42 常に全ての保有物件を売却可能な状態に整えておく。
00:16:38 資金借入れに必要な書類を今月中に取得し、手続きを完了させる。
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