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【親子関係を見つめ直す】
『老いた親を愛せますか』から学ぶ、介護と向き合う心の整理
「いつかやろう」は、いつまでも続くわけじゃない。
そんな気づきを与えてくれたのが、岸見一郎さんの『老いた親を愛せますか?それでも介護はやってくる』という一冊でした。
僕自身、70代半ばを迎えた父がひとり暮らしをしています。これまで「まだ元気だから」と思っていたけれど、ふとした瞬間に、
“この先ずっと、変わらない時間が続くわけじゃないんだ”と、気づかされることが増えてきました。
岸見さんの介護体験が語る「親子関係の本質」
著者の岸見さんは、自らの両親の看取り・介護の体験をベースに、4つの重要な視点を私たちに投げかけてくれます。
① 子どもは親に「返す」ことはできない
親からどれだけのことを受け取ってきても、それを“そっくり返す”ことなんて、本当はできません。
「恩返ししなきゃ」「迷惑かけたから介護で返そう」と思いがちですが、それは子ども側のエゴであって、親は見返りなんて求めていなかったはず。
だからこそ、「できることだけ」でいい。
「すべきこと」「してあげたいこと」ではなく、今の自分にできることだけを見つめてほしい、という言葉に救われます。
②「ありがとう」を期待しない
介護しても、感謝の言葉がない。むしろ不機嫌だったり、文句すら言われる。
そんな日々に「自分は何のためにやってるんだ」と思う瞬間もあるかもしれません。
でも――感謝は期待しない。
その代わりに、自分から**「ありがとう」を伝える**。
「あなたの存在が家族にとってどれだけ大切か」を言葉にすることが、親の尊厳を守り、自分の心も救う道なんだと、気づかされました。
③ 「正しさの争い」から降りる
「親が間違っている」
そう思って、つい強く言ってしまうこともある。でもそれは、正しさの押し付けになってしまう。
ある日、著者のお父さんが突然、宗教に入信したことを事後報告。
思わず反発してしまう気持ちは当然ですが、一度受け入れて、一緒に集会へ行くという選択をしたことで関係が修復されたそうです。
「正しさを貫く」ことと、「関係を大切にする」ことは、時に相反します。
勝つことよりも、大切にしたいものは何か?
この問いは、親子関係に限らず、すべての人間関係に通じます。
④ 理想の親ではなく、「現実の親」を受け入れる
病に倒れ、わがままを言うようになったお母さんにイライラしてしまう。
でも、そんな自分を責めてしまう。
「理想の親」と「今の親」のギャップに苦しむのではなく、
“ありのままの親”を見つめることが、愛の本質なのかもしれないと、岸見さんは語ります。
「もっと一緒に旅行したかった」
「こうしてあげればよかった」
そんな後悔を減らすためにも、
“いつか”ではなく、“今”を大切にしていきたい。
「親が親らしくなくなる時」
どう向き合えばいいのか?
介護や親子関係の話になると、
心がざわついたり、目を背けたくなる人も多いでしょう。僕もそうでした。
でも岸見さんの言葉は、
“親の老い”を通して“自分の生き方”を見つめ直すことにつながっていく、
そんな気づきを与えてくれます。
あなたは、今日、親に「ありがとう」と言えますか?
今の親を見つめる。
できることだけやる。
感謝を求めず、こちらから渡す。
シンプルだけど、なかなかできないこの3つ。
だけど、これこそが、介護をする側・される側の両方を救う方法なんだと思いました。
📚 本日ご紹介したのは
『老いた親を愛せますか? それでも介護はやってくる』 岸見一郎 著
明日も、元気に。そして、大切な人に優しく。
それではまた!
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