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宅建業者売主の物件とは?
不動産投資をしている方であれば、一度は「売主が宅建業者」という物件を目にしたことがあるのではないでしょうか?
これはどういうことかというと、一般の方が所有していた収益物件(例えば、一棟マンションやアパート、戸建てなど)を宅建業者が買い取り、利益を上乗せして転売しているケースを指します。
このような売買の仕組みはよくあることで、宅建業者が利益を乗せて再販することができるため、業者側にとっては非常に美味しいビジネスモデルとなります。
宅建業者売主の物件をどう捉えるべきか?
宅建業者が売主の場合、当然ながら利益を乗せた価格で販売されます。しかし、購入者側がその価格で納得できるのであれば、問題なく取引を進めることができます。
宅建業者は基本的に長期保有を目的としていません。彼らは短期で利益を出す必要があるため、早く売り切ることを前提にしています。一方で、我々のような不動産投資家(賃貸業者)は長期保有を前提としており、5年、10年、20年と持ち続けることで安定した家賃収入を得ることが目的です。
そのため、長期的な目線で考えた際に「この価格ならありだな」と思える物件であれば、宅建業者売主の物件でも十分に投資対象になり得ます。
仲介と買取の違い
通常、仲介業者は売主から売却依頼を受けて、その物件を市場に出します。この場合、売主が高値で売りたいと希望するため、買い手がつかないケースもあります。
しかし、宅建業者が直接買い取る場合は、利益を乗せても売れる価格で仕入れる必要があります。そのため、仲介では売れないような価格設定がされている物件は、業者が買い取らず、そのまま仲介案件として市場に出回ることが多いです。
一方で、業者が買い取るケースでは、「これは確実に利益が出る」と判断された物件が中心となります。そのため、投資家としては、この点を意識して売主の属性を確認することが重要です。
宅建業者売主のリスク:契約不適合責任
宅建業者が売主となる場合、大きなリスクの一つとして「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」を負うことが挙げられます。
これは、購入後2年間の間に物件の瑕疵(例:雨漏り、シロアリ被害など)が見つかった場合、売主である宅建業者が責任を負わなければならないという法律です。
これを避けるために、宅建業者が採る手法の一つが「三為契約」です。
三為契約とは?
三為契約とは、宅建業者が物件を直接売るのではなく、一度一般法人などに売却し、その法人が最終的な買主に転売するという形式を取るものです。
この方法を取ることで、宅建業者は直接売主にならないため、契約不適合責任を回避することができます。
最終的な買主が「売主は宅建業者ではない」という状況になるため、2年間の契約不適合責任を問うことが難しくなります。
まとめ
「売主が宅建業者」の物件を検討する際には、以下のポイントに注意しましょう。
- 宅建業者は利益を乗せて再販するため、価格が市場より高めになることが多い。
- 長期保有を前提とするならば、価格が適正かどうかを見極めることが重要。
- 売主が宅建業者の場合、契約不適合責任が発生するが、三為契約などでリスク回避されるケースがある。
- 契約内容をしっかりと確認し、重要事項説明書の内容を精査すること。
宅建業者売主の物件にはメリットとデメリットがありますが、適切にリスクを管理すれば、十分に良い投資対象となり得ます。取引をする際は、契約内容や売主の情報をしっかり確認し、自身の投資戦略に合った判断を行いましょう。
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